7回目となる7人制ラグビーW杯が20~22日、米サンフランシスコのAT&Tパークで開催される。2016年リオ五輪4位の日本代表男子は岩渕健輔ヘッドコーチ(HC)のもと、8強進出を目指す。登録された12選手で異色の存在は26歳の加納遼大(りょうた)(明治安田生命)。つい1カ月前まで週5日働き、残業もこなしていた「普通のサラリーマン」が初の大舞台に挑む。
東京都葛飾区出身。茨城の常総学院高から明大に進み、1年時からWTBやSHで試合に出ていた。卒業後はトップリーグ入りを目指し、合同トライアウトも受けたが、声はかからず。一般学生と同じく「普通に就活をして」、15年春に今の会社に入った。
明治安田生命はトップリーグの実質3部にあたるトップイーストに所属しているが「練習は基本的に土日だけ」。加納は丸の内の本社で人事部に在籍。ほぼ毎日練習できる他の代表選手と比べるとラグビーに専念しづらい環境ながら、練習生として呼ばれた合宿でチャンスをつかみ、リオ五輪後から代表に名を連ねるようになった。
岩渕HCは、バックスの複数ポジションをこなせる加納の万能性を評価している。本人は「明大の時に色々なポジションをやったことが今に生きている。やっている時は面白くないな、と思ったけど」と話す。
会社は勤務時間を少なくして、代表活動に専念できるようにしてくれた。加納は「楽しみ。早く試合がしたい。どこまで通じるか知りたい」と語っている。
日本男子の初戦のウルグアイ戦は20日午後3時13分(日本時間21日午前7時13分)にキックオフ。(野村周平)