「釜石」のロゴが入ったラグビーボール=西畑志朗撮影
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ラグビーW杯開幕まで100日
9月20日に開幕するラグビーワールドカップ(W杯)日本大会まで、12日であと100日。全国12会場の一つ、東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県釜石市を「嵐」の櫻井翔さん(37)が訪れた。幼い頃にラグビーをプレーし、大会の盛り上げに力を尽くす櫻井さんは、新しいスタジアムを歩き、三陸の海風を感じて、地元の人々と言葉を交わした。巡った思いは、W杯の先にある釜石の「未来」へ行き着いた。
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5月末、櫻井さんはW杯会場の釜石鵜住居(うのすまい)復興スタジアムに足を踏み入れた。仮設スタンドの増設工事でつち音が響く中、ふかふかした芝の感触をかみしめる。12会場で唯一新設された競技場は津波で壊れた小・中学校の跡地に建てられた。
グリーンの芝に覆われた釜石鵜住居復興スタジアム=岩手県釜石市、西畑志朗撮影
「この場所には悲しい出来事も含めて、色々な歴史がある。過去と未来を同時に考えさせるスタジアムだと思います」
出迎えた地元のクラブチーム、釜石シーウェイブス(SW)の桜庭吉彦ゼネラルマネジャー(52)が言った。現役時代は、SWの前身で「北の鉄人」の異名を誇った新日鉄釜石で活躍。W杯に3大会出場した名FWだ。
釜石シーウェイブスの桜庭吉彦ゼネラルマネジャー=岩手県釜石市、西畑志朗撮影
「どんな未来を考えていますか」。櫻井さんが問いかける。
「W杯は大きな節目。だけど、…