西日本豪雨によって、広島県では7千カ所以上で斜面崩壊が発生したとする調査結果を24日、広島大の研究チームが発表した。
被災地のために今できること…西日本豪雨支援通信
西日本豪雨、列島各地の被害状況は
国土地理院が公開している航空写真を解析したところ、少なくとも7448カ所の斜面崩壊が発生したことがわかった。内訳は、東広島市で2730カ所、呉市で1460カ所、三原市で1077カ所など。斜面崩壊の種別では、土石流が6852カ所、崖崩れが596カ所だった。
通常の斜面崩壊は、尾根から流れてきた水が集まる山の中腹で始まることが多いが、今回は山頂近くから始まったケースも多くみられ、それだけ雨量が多かったと研究チームはみている。
岩石の種別では、花崗岩(かこうがん)と流紋岩のいずれの斜面でも、崩壊が確認された。流紋岩は斜面崩壊が起こりにくいとされているが、「長時間かけて風化した層ができていたのだろう」と後藤秀昭准教授は話す。今後、さらに範囲を広げて調べていく予定だ。
斜面崩壊の分布図は、日本地理学会のホームページ(
http://ajg-disaster.blogspot.com/
)で公開している。(瀬川茂子)