命の大切さを考えて――。こんな気持ちで創作した噺(はなし)を落語家の桂春蝶さんが21日、福岡県の筑前町立大刀洗平和記念館(同町高田)で独演した。「ニライカナイで逢(あ)いましょう~ひめゆり学徒隊秘抄録~」。訪れた人たちは、太平洋戦争に題材をとった創作落語に聴き入った。
「ニライカナイ」は春蝶さんの創作落語「落語で伝えたい想(おも)い。」シリーズの第4弾。沖縄戦の際、ガマ(自然壕)の中で最後まで人の命を守ろうとした陸軍病院看護婦長が主人公。春蝶さんは、夫の特攻隊員やひめゆり学徒隊の少女たちとのやり取りを生きいきと表現した。
創作のきっかけは、以前、別の落語をつくった際に見た「特攻機が撃ち落とされる間だけは学徒隊の少女らがガマから水くみに行けた」との資料だ。1年をかけて学徒隊の生き残りの人たちからも取材し、関連する資料を読み込んだ。
春蝶さんは鹿児島県の知覧特攻…