日立製作所は、英国での原発計画をめぐり、現時点で中止すれば最大約2700億円の損失が生じるとの見通しを示した。着工の可否は来年中に判断する。着工への手続きや調査にも費用がかかり、中止決定が遅くなれば、損失はさらにふくらむとみられる。
西山光秋専務が、アナリスト向けの決算説明会で明らかにした。計画について「スタンスは変えていない。事業性判断をしっかりやる」と述べ、他社からの出資金の集まり具合などをもとに着工の可否を決める方針を強調。出資の検討を表明した英政府との協議も続いているとした。
日立は子会社を通じて英国に原発2基をつくる計画。安全基準の厳格化などで事業費が高騰する見通しで、最大3兆円程度になるとみられている。