西日本豪雨で深刻な浸水被害に遭った岡山県倉敷市真備町でボランティアをした津市の男性が、水に浸って傷んだ写真をきれいにする作業に取り組んでいる。被災した家族から預かった写真は3500枚以上。多くを失った家族に、思い出が詰まった写真だけでも残したいと思っている。
預かった写真が入ったプラスチックケースを開けると、水が腐ったような臭いが鼻をつく。
「これが被災地の臭いですわ」。ボランティア活動に取り組んで38年になるデザイナーの萩野茂樹さん(64)は言った。
写真は泥水に浸り、縁の部分が傷んで変色していた。萩野さんはエタノールをしみこませたティッシュペーパーで、変色した部分をこすり落とした。
萩野さんは7月14日から3日間、監事を務める認定NPO法人「日本災害救援ボランティアネットワーク」(兵庫県西宮市)の活動で、仲間10人前後で真備町に入った。
支援先となった2階建て民家の屋根には流木がのっていた。父子4人が住んでいた家は屋内が泥まみれで、鼻をつく臭いが充満していた。萩野さんらは家財などの運び出しを続けた。父親の意向で、当初は水に浸った写真は捨てるつもりだった。
活動2日目だった。避難所に身…