(1日、仙台1―2名古屋)
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別チームといっていい。名古屋の先発のうち4人が、7月20日以降に移籍登録が可能になった「補強組」だったからだ。
J2松本からきたFW前田もその1人だ。前半40分、MF和泉の球足の速いスルーパスを右足でピタリと止める。すかさず左足で蹴り、GKの脇を抜いた。これが結果的に決勝点に。「元からいる人も含め、それぞれがいろんな思いでピッチに立っていた」。頭は冷静に、持ち味の球扱いのうまさを発揮した。
序盤、チームはちぐはぐな連係が目立っていた。前半27分には、左クロスに2人が重なる。MF玉田と接触したMFガブリエルシャビエルのスパイクが脱げてしまうお粗末な攻撃で、好機を逃した。
状況を一変させたのが、前田だった。前半30分、ゴール前で相手の意表をつく、足の裏を使ったパスでFWジョーの先取点をアシストした。チームは、そこから細かなパス回しで相手をいなせるようになった。
後半は、3人の新戦力が入った守備陣が機能した。中央は、柏から来た中谷。「ある程度外は捨て、中央を固めてクロスに集中した」。丸山(前FC東京)とともにゴール前で跳ね返し続け、反撃を1点に抑えた。
J2に降格した2016年は18試合未勝利を味わった。親会社にトヨタを持つ資金力を背景にした大型補強が実り、16試合ぶりの勝利だ。名古屋が再スタートを切った。(勝見壮史)
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○前田(名) 1得点1アシスト。「補強された人の中では一番『誰?』という感じだと思う。これで終わりたくない」
○和泉(名) 決勝点をアシスト。中断期間も含め、約5カ月ぶりの勝利に「勝つことが大事だった。本当に長かった」。
○風間監督(名) 残留についての認識を問われ、「一戦一戦勝っていくだけ。目に見えないものを考えても仕方がない」。
仙台、シュート14本
仙台は名古屋の2倍となるシュート14本を放ったが1得点。前半終了間際、チーム最多8得点のFW西村が右クロスを頭で合わせたが、相手GKがセーブ。後半は押し込んだ時間が長かったが、崩しきれなかった。西村は「決められるところで決めないと。ゴールの確率をもっと上げたい」。
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●渡辺監督(仙) 前半で2失点。「相手とのシステムのずれではなく、名古屋の強烈な個(の力)に取られた」