(12日、高校野球 高知商12―6慶応)
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高知商は2度のバックホームで流れを引き寄せた。
一回に1点を先取したその裏、エースの北代真二郎(3年)がつかまった。安打、死球、安打と、わずか3球で満塁に。4番広瀬にも左前安打を浴びた。
ここで、三塁走者に続き、二塁走者もホームを狙ってきた。打球を処理した左翼手の藤高祐一郎(3年)がホームへ好返球。アウト。
さらに1点が入った1死一、二塁から右前安打を浴びたが、ここでも右翼を守る前田貴友選手(3年)も正確なバックホームでアウトに仕留めた。
この回、1番から5安打と2四死球で7者連続の出塁を許したのに、2点しか取られなかった。
3点目を阻止した前田は「ホームに突っ込んでくる慶応の選手をみて『よし』と思った。バックホームには自信があった」と胸を張る。「打つだけのチームと思われがちだけど、守備から流れをつくるのがうちの持ち味。それを示せてよかった」。次の二回に4長短打などで7点を取り、試合を優位に進めた。
毎日、ノック練習の最後はバックホームの練習をしてきた。ワンバウンドまでで捕手に返すことができた選手から順に引き上げていく。1回で終わる日もあれば、何度もトライし続ける日も。藤高は「もともとは自信がなかったけれど、毎日、だれが先に上がれるかを競い合ううちに力がついた」と話す。
チームを率いる上田修身監督は1980年、同級生でエースだった中西清起さん(元阪神)らとともに選抜大会優勝を経験したが、夏の選手権大会は同年の2回戦進出が最高だった。
選手たちは試合前、監督から「俺の夏を超えてみろ」と言われていた。「超えることができました」と笑顔の選手たち。2試合連続2桁得点の攻撃力とともに日々鍛え上げた守備力で、さらに上を目指す。(杉山圭子)
○上田監督(高) 「一回の守りが大きかった。その流れが二回の攻撃につながった。初戦と同じように、前半によく打ってくれたのが大きかった」
○西村(高) 165センチの1年生は一、二回に2本の長打を放ち、「強気でいって、外野の間を抜く打撃ができた」。
○北代(高) 6失点完投。一回に2点を失ったが、「2点か3点くらいならいいだろうと。打線が取り返してくれると思って投げていた」。