ジャカルタ・アジア大会で、韓国と北朝鮮の合同チーム、女子バスケットボールの「コリア」が好発進した。開会式に先行して始まった1次リーグの初戦では、開催国のインドネシアに108―40で快勝。2月の平昌冬季五輪で史上初めて結成された、女子アイスホッケーの合同チームが5戦全敗した際とは一転し、韓国では「金メダルを」との期待も高まっている。
南北合同チーム、組織だったバスケで大勝 アジア大会
「期待以上のことをしてくれた」。17日にあった1次リーグ2戦目。台湾に延長の末、85―87で惜敗したものの、韓国人のイ・ムンギュ監督は北朝鮮選手の活躍を高く評価した。12選手のうち北朝鮮選手は3人だ。身長182センチのロ・スギョン(25)はインドネシア戦で22得点、台湾戦で32得点を挙げ、いずれの試合でも両チームトップ。白地に水色で朝鮮半島を描いた「統一旗」がはためく観客席からは「ロ・スギョン チャレッソ(よくやった)」のコールが絶えない。
韓国は2014年仁川アジア大会で優勝。そこに北朝鮮のエースが加わり、戦力が向上した。自由に行き来できないため、「練習時間が短く、サインがあわないことがある」(イ監督)という課題もあるが、南北の選手が刺激し合う相乗効果が生まれているという。
平昌冬季五輪の女子アイスホッケーチームは、政治主導で大会直前に急造された。その苦い経験を糧に、今回は周到に準備を進めてきた。今大会では、カヌーとボートでも南北合同チームが出場する。
合同チームがメダルを得た場合、韓国や北朝鮮のメダル集計からは除外され、第三国「コリア」として集計される。授賞式では両国の国旗ではなく統一旗が掲揚され、朝鮮半島の民謡「アリラン」が演奏される。(ジャカルタ=武田肇)