気象庁は29日、今月15日に火山性地震が急増していた鹿児島県屋久島町の口永良部(くちのえらぶ)島について、噴火警戒レベルを4(避難準備)から3(入山規制)に引き下げた。大きな噴石や火砕流への警戒を呼びかける範囲を、「新岳(しんだけ)火口から約3キロ」から「約2キロ」に縮小したが、引き続き噴火の可能性はあるとしている。
2015年5月に爆発的噴火を起こした新岳の西側山麓(さんろく)で15日、深さ約5キロを震源とする地震が急増し、レベルを2(火口周辺規制)から引き上げていた。
気象庁によると、同じ場所を震源とする地震が16日以降は発生しておらず、「2週間発生しなかった場合」という判断基準に従い、引き下げることにした。今後、火山性地震や地盤変動の様子を見て、穏やかな状態が2カ月程度続けばさらに引き下げを検討するという。
ただし、15年は今回とほぼ同じ場所で火山性地震が発生した4カ月後に噴火が起きており、気象庁は引き続き噴火の可能性はあると指摘している。