「人道大国」を誇る北欧スウェーデンで、反移民感情が高まっている。受け入れ凍結を掲げる極右政党「スウェーデン民主党」が支持を伸ばし、9月の総選挙では第1党をうかがう勢いだ。移民や難民に寛容なことで知られる社会は変質してしまったのか。
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「社会統合とは、何世代にもわたってスウェーデンに住む人たちの慣習を学ぶことだ」
8月半ば。林業がさかんな東部の町スンツバルで、スウェーデン民主党のジミー・オーケソン党首(39)は、移民や難民に社会への「同化」を迫り、「スウェーデン人重視」の姿勢を鮮明にした。
スクリーンには、第2の都市イエーテボリで最近起きた車の放火事件が映し出された。「これがスウェーデン社会のなれの果て。現政府の政策は失敗だ」。凶悪犯罪と移民問題を関連づけて移民・難民流入の凍結を訴えるのが同党がよく使う手法で、約300人の聴衆はどっと沸いた。
投票先を決めかねていたという…