子どもの心を言葉や行動で傷つける「心理的虐待」が、2017年度までの5年間で3倍に増え、同年度の虐待の総件数の半数を超えたことが厚生労働省の調査でわかった。特に子どもの前で親が配偶者に暴力を振るう「面前DV」を、警察が心理的虐待と位置づけ、児童相談所(児相)に通告する例が増えていることが背景にある。
「児相」「通告」使わない 虐待ゼロへ自治体独自の支援
全国の児相が17年度に対応した児童虐待件数の調査でわかった。総件数は13万3778件(速報値)で、前年度から1万1203件(9・1%)増。調査を始めた1990年度から27年連続で増え続けている。
心理的虐待は12年度の2万2423件から4万9774件増え、7万2197件になった。04年の児童虐待防止法改正で、面前DVをはじめ、暴力を見せたり聞かせたりして、子どもに苦痛を与えることが心理的虐待に当たると明記された。13年には、厚労省がきょうだいへのネグレクト(育児放棄)も心理的虐待に該当するとした。
警察庁も13年、配偶者暴力防…