愛知県豊田市で三つ子を育児中の母親(31)が、次男(当時11カ月)を床にたたきつけて死なせた事件で、市の外部検証委員会は17日、双子や三つ子などの「多胎」育児をする家庭への支援態勢が不足していたとする報告をまとめ、公表した。検証委員会は市に支援策の強化などを求めた。 3月、名古屋地裁岡崎支部は、傷害致死の罪に問われた母親に懲役3年6カ月(求刑懲役6年)の実刑判決を言い渡した。裁判では、母親の証言から多胎育児の過酷さが浮き彫りになり、ネットを中心に「母親だけの責任じゃない」「第1子が三つ子とか想像を絶する」「実刑判決は厳しすぎる」と、被告の過酷な育児に思いを寄せる声も上がった。 報告書は、妊娠から事件までを四つの段階に分けて問題点を検証した。 最初の段階としては、市に妊娠届が提出された時点で、職員が支援の必要性を認識せず、その後も市と母親の間で信頼関係が構築されなかったとした。父親が育児休暇から職場復帰後の時期は、保育所にあたる「こども園」への入園申し込みがありながら、市側は入園を保留。市は「母の強い要望がない」として、ニーズが十分に把握できていなかったなどと指摘した。 こうした問題点について、検証委員会は報告書のなかで、多胎妊娠の場合は出産前から保健師が積極的に関わることなどを指摘。出産後も毎月1回程度、保健師が家庭訪問することや、多胎育児のニーズの把握や指導、支援制度の紹介が必要、などと提言した。 記者会見した検証委員会委員長の渡辺忍・日本福祉大教授(児童福祉)は「母親は援助を求めていたのに、『孤立した育児』『疲弊した育児』になった。市には当面の対策に力を注ぐとともに、中長期的な人材・組織の育成など、計画的な取り組みも期待したい」と述べた。(小山裕一) ■記者会見での主な一… |
三つ子次男死なせた事件 検証委「多胎育児の支援不足」
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