厚生労働省は28日、全国の児童相談所(児相)が虐待の可能性を認識し、在宅生活を見守っていた子ども3万7806人のうち170人について、リスクが高いと判断し、保護者から引き離す一時保護や施設入所などに切り替えたと発表した。今月8日までに2626人の状況が確認できていないという。
虐待の恐れある子、2656人 心愛さん事件受け調査
千葉県野田市の小学4年、栗原心愛(みあ)さん(10)が死亡した事件を受け、政府は2月、児相や小中学校などが虐待の可能性を認識している全ての子どもについて緊急的な安全確認を行うと決定。今月8日までの1カ月間で、児相や市町村が面接などを実施した。
厚労省によると、児相が在宅生活を見守る子どもは2月14日時点で3万7806人。状況を確認できた3万5180人のうち、子どものあざや親の養育意欲の低下などを理由に26人は施設入所など、144人は一時保護になった。2918人はリスクが低下したとして在宅指導が解除された。
厚労省は「必ずしもリスクが高いまま放っておいたということではない。安全確認のタイミングでリスクの高まりを把握できたケースもある。変化を把握するのが大事」と説明する。
1カ月間で面接などができなかった子どもは2626人で、「後日、面接予定」2535人、「所在不明」35人など。4月8日までの状況確認をめざす。
厚労省は、未就園児や乳幼児健診を受けていない子どものうち昨年11月末時点で安全確認ができていなかった2936人についての追加調査の結果も発表。今月1日時点でなお状況が把握できていないのは423人で、確認作業を続ける。
追加調査分を含めると、状況確認ができた子どものうち159人が虐待を受けているか、虐待の疑いがあった。児相などは、一時保護(11人)や施設入所(10人)などの対応を取った。(浜田知宏、西村圭史)