救えた命ではなかったか――。そんなケースを防ぐため、児童虐待の現場で児童相談所が弁護士と連携する動きが進んでいる。法律の知識をいかし、子どもと保護者を引き離す「介入」が必要かの見極めや、威圧的な保護者らへの対応に期待する声がある。
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「保護者から『訴える』と言われると、『間違ったことはしていない』と思っても不安になる。弁護士が面接などに同席してくれたらありがたい」。関東地方の児童相談所(児相)の元所長はこう話す。
職員だった時に、保護した子どもの両親から毎日のように電話で責められた。公務員の父親の電話は時に2時間にも及び、「(保護は)拉致だ」「虐待はしていない」と繰り返した。職員の家族に危害を加えるかのような発言もされ、児相に押しかけて面談をビデオカメラで撮影することもあった。
元所長は、他県で弁護士が保護…