「おおむね12時までには全ての列車の運転を取りやめます」。4日朝、いつもより利用者の姿がまばらなJR大阪駅。京阪神地区の在来線のすべてを順次運休することを知らせる紙が貼り出され、利用客がスマートフォンで撮影していた。
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東京都内の大学に通う4年生の山本哲也さん(22)は、実家に帰省してきたばかり。大阪市内にある祖父の家に向かう予定だったが、駅まで来てあきらめた。「残念だけど出直す。今年は台風が多いように感じる」と話した。
兵庫県尼崎市の会社員女性(30)は、普段は1歳の子どもを保育園に預けて出勤しているが、台風で休園に。会社が休みになった夫に子どもを任せたが、午前10時には仕事を切り上げて帰宅するという。「会社も休みになればいいけど、台風のたびに有休を使うのは嫌やし……」と困り顔だった。
山陽新幹線は午前9時39分に新大阪駅を出発する下りの「のぞみ9号」を最後に新大阪―広島間の運転を止めた。東海道新幹線は山陽新幹線との直通運転をやめ、東京―新大阪間を折り返している。JR新大阪駅の窓口には、切符の振り替えなどを問い合わせる客がひっきりなしに訪れた。
出張で大阪を訪れていた東京都八王子市の会社顧問、山崎弘さん(64)は4日、山口県へ行く予定だったが、会社から急きょ「山口へ行かず東京へ戻るように」と指示があった。「また別の機会に行かなくちゃいけないので面倒くさい部分もあるが、最近は社会全体が安全を第一に考えるように変わってきている。会社もJRも良い判断なのかもしれません」と話した。
JR西日本の京阪神地区の在来線は午前8時ごろから運行をやめ、正午までに全ての列車の運行を止める。関西の私鉄各社は、南海電鉄と京阪電鉄は今回、初めての予告運休に踏み切った。本数を減らして運行し、4日正午をめどに全線の運転を見合わせるという。近畿日本鉄道も午前11時以降、大阪地区で順次運行を見合わせた。阪急電鉄は特急と急行の運行を順次止め、阪神電鉄も直通特急などを順次止めている。
4日は空の便も欠航が相次いだ。日本航空は国内線213便と国際線5便、全日空は国内線281便と国際線8便の欠航を決めた。