ヤマハ発動機は、台湾の電動二輪大手「Gogoro(ゴゴロ)」と業務提携の検討を始めたと発表した。ゴゴロの電動二輪は、電池を着脱式にして台湾で人気を集めている。ヤマハ発は、現地で売る新型の電動二輪にこのシステムを導入する方向だ。
契約は年内に正式に交わす予定。ゴゴロの電動二輪をベースにヤマハ発がデザインした新型電動二輪を、ゴゴロの工場で生産してもらう。ヤマハ発のブランドで2019年夏ごろ発売する予定だ。
ヤマハ発は台湾の二輪市場でシェア3割を占める。ただ、そのほとんどはエンジン車。二輪全体の5%まで伸びてきた電動二輪でのシェアは1%ほどだ。
一方のゴゴロは台湾の電動二輪市場でシェア77%を占める。電池ステーションを台湾の各地に設け、使用済みの電池を充電済みの電池とすぐに交換できるサービスで人気を呼んだ。料金は定額制だ。
台湾当局は、エンジンだけで走る二輪の販売を34年までにゼロにする目標を掲げている。ヤマハ発は規制に対応し、低迷する電動二輪の販売をてこ入れする狙いからゴゴロと手を結ぶことにした。
ゴゴロはエンジン車に強いヤマハ発の顧客を取り込み、電池ステーションの稼働率を上げたい考え。
電動二輪をめぐっては、ホンダがインドネシアで実証実験を12月ごろに開始予定。都市部に数十カ所の電池ステーションを設け、電池の交換頻度や利用状況を調べて事業化を検討する。(高橋克典)