サンマやイワシなどの青魚に多く含まれるオメガ3脂肪酸をとると、患者の不安を和らげる効果があると国立がん研究センターなどのチームが発表した。14日付の米医師会雑誌の関連誌に掲載される。
チームは、サプリなどでオメガ3脂肪酸をとった人ととらなかった人を比べた、日本を含む11カ国の19研究、計2240人分のデータを分析した。うつ病や心的外傷後ストレス障害、心筋梗塞(こうそく)など様々な患者を含んでいる。その結果、オメガ3脂肪酸を1日2グラム以上とった人はとらなかった人に比べて、不安症状が和らいでいた。
オメガ3脂肪酸は、体内でつくることができない必須脂肪酸の一つで、青魚に多いDHAやEPAなど。2グラムはサンマ1・5匹ほどに相当するという。分析した国立がん研究センターの松岡豊・健康支援研究部長によると、不安を軽減する仕組みはわかっていないが、マウスの研究ではオメガ3脂肪酸は脳の恐怖をつかさどる部分の働きを抑えることが指摘されている。松岡さんは「今後、大規模な臨床試験などで詳しく調べ、患者が抱える不安を薬を使わずに和らげられるようにしたい」と話す。
論文はウェブサイト(
https://doi.org/10.1001/jamanetworkopen.2018.2327
)で読める。(土肥修一)