出血を止める働きをする血小板をiPS細胞からつくり、血液の難病「再生不良性貧血」の患者に移植する京都大の臨床研究について、厚生労働省の部会は21日、計画を了承した。iPS細胞からつくった細胞を実際の患者に使うのは、血液の病気では世界で初めて。
iPS細胞、免疫型にこだわらない研究・開発次々
血液製剤は献血によってつくられているが、少子高齢化などの影響で献血する人が減っている。iPS細胞から血液製剤ができるようになれば、将来の血液製剤の供給にも役立つ可能性がある。
再生不良性貧血は、免疫の異常などで、体内で白血球や血小板などの血液成分が十分につくれなくなる難病。iPS細胞を使った再生医療は、2014年に目の難病患者に対する網膜組織の移植から始まった。今年に入り、心不全やパーキンソン病でも計画が進展。ほかに、角膜の病気や脊髄(せきずい)損傷などでも計画が進み、臨床応用の動きが加速している。(野中良祐)