井山裕太名人(29)に張栩(ちょうう)九段(38)が挑戦している第43期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第4局が10日朝、兵庫県宝塚市の「宝塚ホテル」で始まった。ここまで名人の2勝1敗。名人が勝ってタイトル防衛まであと1勝とするか、挑戦者がタイに戻すか。正念場の一局は最新AI(人工知能)流の布石、定石で始まった。 熱戦の詳報やライブ解説はこちら 開始5分前、両者は対局室に出そろい、盤を挟んで一礼して向きあった。午前9時、立会人の坂口隆三九段が対局開始を告げると、先番の挑戦者はすぐに黒石をつまみ、右上に音を立てて打ちつけた。名人は挑戦者の気合を外すように、ひと呼吸おいて左下にそっと白石を置く。 右上の白6まで、AIが打ち出して人間界にも広まった最新流行の布石。名人は白12で流行定石から変化し新型が出現。挑戦者は切断した白の一団を攻めあげ、右辺に大模様を張った。 解説の坂井秀至(ひでゆき)八段は「右上の折衝は挑戦者が主導権を握っているように見えます。名人のこれからの構想がみものです」と話した。(大出公二) |
AI布石から新型へ、張九段が主導権 井山名人の構想は
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