英国の欧州連合(EU)からの離脱交渉で、離脱の条件などをめぐる合意が12月まで先送りされるとの観測が強まっている。英領北アイルランドとEU加盟国アイルランドとの国境問題で、英・EU間の溝が埋まらないのに加え、合意をめぐる英国内の反発を政権が抑えられないためだ。
交渉の実質的な期限は、来年3月末の離脱から逆算すると、17日から開かれるEU首脳会議(サミット)とみられていた。市民生活が混乱する無秩序離脱の危険と隣り合わせのまま、交渉は「ロスタイム」に入りそうだ。
「11月か12月が最良の機会になる」。アイルランドのバラッカー首相は15日にこう述べた。今回のEU首脳会議での合意は難しく、11月の臨時会議か12月の定期会議にずれ込むとの見方を示したものだ。
メイ首相もこの日、英議会での…