23日のニューヨーク株式市場は、通商摩擦が米企業業績に与える悪影響への懸念が強まるなどし、大企業でつくるダウ工業株平均が続落した。終値は前日比125・98ドル(0・50%)安い2万5191・43ドルだった。下げ幅がいったん550ドルに迫ったあと、前日終値近くまで戻す場面もあり、不安定な値動きが続いた。
中国ビジネスの割合が大きい建機大手キャタピラーと事務用品大手スリーエムが朝方発表した業績見通しが慎重で、投資家の失望売りを誘った。キャタピラーはコスト増の要因として原材料費の上昇を挙げた。米トランプ政権が仕掛けた鉄鋼への高関税などの通商摩擦が、企業業績を直撃し始めたと受け止められた。
原油先物相場が2カ月ぶりの安値をつけたことでエネルギー株も売られた。一方、決算が好調だったマクドナルドが6・3%高と大きく値を上げ、相場を下支えした。
ハイテク株が多いナスダック市場の総合指数も下落し、前日比31・09ポイント(0・42%)低い7437・54で取引を終えた。(ニューヨーク=江渕崇)