日本を訪れた外国人旅行客のうち、3大都市圏以外を訪問する人が年々増え、スキーや温泉などを楽しんでいることが、2018年度の観光白書でわかった。訪日客の関心が多様化し、買い物目的だけにとどまらずに各地を巡っていることがうかがえる。
白書は観光庁がまとめ、21日に閣議決定された。12年に3大都市圏(東京、神奈川、千葉、埼玉、愛知、大阪、京都、兵庫の8都府県)のみを訪れた外国人客は453万人、それ以外の地域(地方部)は383万人だった。
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これが18年には、地方部を訪れた人が1800万人に増加。3大都市圏のみを訪れた人(1319万人)の1.4倍となった。
訪日の目的にも変化がみられる。観光庁の訪日消費動向調査で「訪日前に最も期待していたこと」を尋ねたところ、日本食を食べることと買い物をあわせた割合が、14年は48%を占めていた。これが18年には40%に低下した。
18年の調査で、地方を訪れた外国人客に「今回の旅行でしたこと」を尋ねた質問では、スキー・スノーボードや温泉入浴、自然体験ツアー、花見などが上位だった。観光庁の担当者は「訪日客の関心が多様化し、『コト消費』への関心が高まっている」とみる。
18年は豪雨や地震など自然災害が相次いだ。外国人客だけでなく、日本人を含めて災害が旅行にどう影響したかも調べた。08年4月から17年末までに発生した大規模な地震6件の発生直後、日本人、外国人とも被災地でののべ宿泊者数は前年の同じ時期に比べ大きく減少した。ただ、日本人は1~2カ月後には回復したが、外国人は発災後1年ほど減少傾向が続いた。(田中美保)