第1次世界大戦終結から100年となった11日、パリで記念式典が開かれた。米国のトランプ大統領やロシアのプーチン大統領、ドイツのメルケル首相ら各国首脳や国際機関代表ら要人80人以上が出席し、大戦の無名戦死者の墓をまつる凱旋門前で平和を誓った。
式典は100年前に休戦協定が発効した午前11時に始まった。フランスのマクロン大統領が演説し、「第1次大戦は1千万人の死者を生んだ。戦後、我々の先達は国際協調による平和をめざしたが、復讐(ふくしゅう)心や経済危機がその後のナショナリズムと全体主義を生んでしまった」と強調。そのうえで「自国の利益が第一で、他国は構わないというナショナリズムに陥るのは背信行為だ。いま一度、平和を最優先にすると誓おう」と呼びかけた。
第1次大戦(1914~18)は、英、仏、ロシア、米国などの「連合国」とドイツ、オーストリアなどの「同盟国」が戦った。初めて戦車や毒ガスも投入され、史上最大の戦争の一つになった。連合国側が勝利し、18年11月11日、パリ北部のコンピエーニュの森で休戦協定が結ばれた。(パリ=疋田多揚)