文化審議会は16日、甲府城跡(甲府市)や安徳台遺跡(福岡県那珂川市)など9件を史跡に指定するよう文部科学相に答申した。名勝1件、天然記念物2件、登録記念物3件、重要文化的景観1件の新規の指定や登録、選定も答申した。
甲府城は、豊臣政権下で関東の徳川氏に対する抑えとして築かれ、江戸時代には甲府藩の居城となった。築城期の野面(のづら)積みの石垣が残り、東日本には少ない初期の織豊系城郭として、近世の政治や軍事の歴史を知る上で貴重とされた。
安徳台遺跡は弥生時代の大規模な集落跡と墳墓。甕棺(かめかん)からは人骨のほか、ガラス製勾玉(まがたま)や貝輪なども出土した。「魏志倭人伝」に登場する「奴国(なこく)」の集落の様子や首長の階層分化の実態がわかり、紀元前後の社会を知る上で重要だという。
登録記念物では、戊辰戦争で自…