日産自動車のカルロス・ゴーン会長が逮捕されたことを受け、日産の株価が急落した。グループを組んでいる三菱自動車や仏自動車大手ルノーの株価も下げている。
20日の東京株式市場では日産株が売られている。午前9時の取引開始後すぐは値がつかず、午前9時9分に値がついた直後に前日終値より65円(6・5%)安の940円をつけ、年初来安値を更新した。日産傘下でゴーン容疑者が会長に就いている三菱自動車も、午前9時6分に同45円安の685円で取引を始めた。
日産や三菱自の経営再建に剛腕を振るってきたゴーン容疑者の突然の逮捕で、不透明なガバナンス体制への批判や懸念が市場にも広がっている。「ゴーンさんがいるからあった日産の信用力に傷がついた」(大手証券アナリスト)との見方もある。
一方、19日の欧州株式市場では、ゴーン容疑者が会長兼最高経営責任者(CEO)を務めるルノーの株価が先週末の終値に比べて8・4%安で取引を終えた。この日の株価は一時は15・0%安となり、約4年ぶりの安値をつけた。
ルノーは欧州時間の19日午後(日本時間19日深夜)に声明を出し、近く取締役会を招集すると発表。声明では、一部の取締役は、日産自動車・三菱自動車・ルノー連合において「ルノーの利益を守る」との意向を示した。
日産や三菱自は、ゴーン容疑者の会長の職などを解くことを取締役会で提案する方針を発表している。ルノーでも今後、ゴーン容疑者の処遇について話し合われる可能性がある。(寺西和男=ロンドン、柴田秀並)