主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)が30日、アルゼンチンのブエノスアイレスで開幕した。これに先立つ29日夜のG20財務相会議では、金融緩和による低金利の下で各国の債務が積み上がっていることや、貿易摩擦の激化による世界経済のリスクの高まりを懸念する声があがった。麻生太郎財務相は財務相会議後、記者団に対し「自由で公正なルールに基づく貿易体制を維持していかなければならない、と(会議では)指摘した」と述べた。
11月中旬のアジア太平洋経済協力会議(APEC)では、米中が通商政策を巡り対立し、初めて首脳宣言が出せなかった。G20サミットでは再び自由貿易のあり方が問われる。通商摩擦が激化する米中の言動に注目が集まっている。
このほか、G20サミットでは、人工知能(AI)やロボットなど技術革新が世界に与える影響や女性の活躍推進、気候変動への対応なども議題となる。(ブエノスアイレス=和気真也)