燃料税の引き上げをきっかけにフランスで起こった反マクロン政権のデモが1日、全国であった。仏メディアによると、7万5千人が参加し、287人が拘束された。マクロン大統領は「暴徒は混乱を望んでいるだけだ」と非難したが、「庶民に冷たい大統領」との不満は増すばかりだ。
パリでは車両や建物が次々と放火され、レストランなども壊された。鎮圧に向かう消防や警察の車両のサイレンが一日中鳴り響き、爆発音も繰り返された。凱旋門付近は、治安当局が使ったとみられる催涙ガスが充満し、発煙筒や炎上車両の煙も重なって視界がかすんでいた。
デモに参加した、パリ郊外に住む年金生活者のメレ・ダニエルさん(70)は「私の年金は、住宅費が払えない48歳の娘の仕送りに消えていく。大統領は庶民の惨めな暮らしぶりが分かっていない」と憤った。別の年金生活の女性(70)は「フランス全土が怒っている。私たちは団結している。ここは革命の国だ」とまくしたてた。人々は「マクロン辞任」を訴え、フランス国歌を歌っていた。
デモのきっかけは、政府が来年…