スペイン南部アンダルシア州で2日、州議会選(定数109)が投開票された。州政府によると、開票率99・9%時点で、中道左派の与党社会労働党が第1党ながら33議席(前回47議席)と大幅に後退し、新興右翼政党ボックス(VOX)が12議席と躍進した。
VOXは2013年末に設立され、不法移民の取り締まり強化やカタルーニャ自治州の独立反対を掲げている。全国の州議会、国政を通じて議席を得るのは初めて。AFP通信によると、アバスカル党首は選挙結果を受けて「アンダルシア州の人々は歴史を作った」と誇った。
同州はアフリカから小型ボートで地中海を渡ってくる人々の主要な上陸地点。スペインでは、こうした移民・難民が急増しており、VOXの躍進は、移民・難民の受け入れに前向きなサンチェス政権(社会労働党)の移民政策に影響を与える可能性がある。
同州は与党の地盤。6月にサンチェス氏が首相に就任して初となった今回の選挙は、政権評価と結びつくため、同氏や各党の党首が応援に入った。世論調査に基づく事前予測で、VOXの獲得議席は5議席程度とみられていた。(パリ=疋田多揚)