英国が欧州連合(EU)から離脱する条件について、EUと同国が合意した協定案の審議が4日、英議会下院で始まった。冒頭から、メイ政権の対応が「議会を侮辱している」とする動議が可決されるなど、協定案に反対する勢力が激しく反発。11日に迫る採決を前に、議会の反対の強さが改めて浮き彫りになり、メイ政権には審議初日から大きな痛手となった。
「侮辱」動議は、法務長官による協定案についての政権への法的な助言の全文を、メイ首相が公開しなかったことに対して出された。さらに与党・保守党内の残留派から、政府が示した協定案が11日に否決された場合に、「対案」を出すことができるなど議会の権限を強める手続きを求める別の動議も出され、いずれも可決された。
「『完璧な離脱』を求めるあまり『いい離脱』を排除するべきではない」。メイ首相は4日もこう強調し、協定案への理解を求めた。メイ首相は「この協定案か、『離脱しない』か、『合意なし離脱』のいずれかだ」と議会に迫ってきたが、「対案」の動議には与党の保守党から20人以上が支持に回った。
協定案が11日に否決されれば…