かつてサッカーのJ1磐田で2年連続得点王に輝き、日本代表でも活躍したFW前田遼一がFC東京との契約が終了し、新天地を求めることになった。37歳は7日、「サッカーを続けたいけれど、チームがなければできない。声をかけてもらえれば……」と報道陣に語り、現役を続けたい意向を示した。
シーズン開幕前は、復活を予感させていた。前線からの守備をいとわず、練習試合で得点も挙げた。FC東京の新指揮官となった長谷川健太監督の求めるサッカーを実践し、開幕から3試合連続で先発していた。
ところが、前半戦に好調だったチームは、ディエゴオリベイラと永井謙佑を主軸のFWに据えるようになり、前田は徐々に出番を失った。ようやく初得点を奪えたのは最終戦。「勝利に全く貢献できなかった。だからチームを去ることになった」
2015年にFC東京に加わり、4年間で一度も2桁得点を挙げられなかった。「これが現状の実力だと思う。ただタイトルを取れなかったことが心残り」と言う。それでも「あのままジュビロにいたら経験できなかったことができた。この年になって、新しいクラブに移籍して、環境に慣れることができた」と振り返った。
磐田時代、40歳を超えても現役にこだわる中山雅史の姿を見てきた。「1日も長く、中山さんみたいにという気持ちをもっている」と前田は言う。今後はJ1、J2などリーグにこだわらず、移籍先を探す。(河野正樹)