英国を除く欧州連合(EU)27カ国の首脳は13日、英のEU離脱をめぐり、英側が最も懸念する英領北アイルランド問題が解決するまで英国がEUの関税同盟に残留するという「非常措置」の適用は、一時的であると文書に明記した。英議会の理解を得て、合意なしの離脱を回避したい考えだが、英側が受け入れる可能性は低いとみられている。
英とEUは11月に、離脱の条件を定めた協定案で合意。発効に必要な英とEU両議会の承認手続きに移っているが、英議会では承認される見通しが立たず、メイ英首相が11日に予定していた採決を見送った。
英側の反発が特に強いのが、北アイルランドと隣接するEU加盟国アイルランドとの間の国境管理の問題だ。協定案は、人や物が両地域を自由に移動できる方法が見つからない場合、「非常措置」として英国全体がEUの関税ルールに従うと規定。英からは「EUの属国になる」などと批判が起き、英国のメイ首相はこうした懸念を解消できる対応をEUに求めていた。
EUは13日の首脳会議で緊急…