来年2月に開幕する宝塚歌劇団花組のミュージカル「CASANOVA(カサノヴァ)」は、仏作曲家ドーヴ・アチアが全曲を書き下ろす。希代のプレーボーイ役で主演する、トップスター明日海りおは「本当に幸せなこと。一つひとつの楽曲を大切に歌いたい」と語る。
アチアは、ミュージカル「太陽王」「ロックオペラ モーツァルト」などで脚本と楽曲制作に参加し、世界的なヒットに導いた。月組が日本初演した「1789―バスティーユの恋人たち―」をはじめ、宝塚との縁も深い。宝塚オリジナル作品への全曲書き下ろしは初めてとなる。
「カサノヴァ」の舞台は18世紀のベネチア。理想の愛を求め続けるカサノヴァの数奇な人生を描く。アチアは「ベースとしてはモダンロック。そこにマンドリンやチェンバロも使って、イタリアらしい曲調や要素を織り込む」。花組トップコンビと対面した印象を「お二人がなぜトップなのかすぐに分かった。トップの声とカリスマ性、そのインスピレーションを楽曲にいかしたい」と話す。
明日海は「1789」の楽曲をダウンロードして、いつも聴くほどほれ込んでいたという。「ドーヴさんが思い描かれているものをちゃんと表現できるよう、柔軟にイマジネーションを働かせていきたい」。相手役の仙名彩世も「ロックミュージカルの経験がないので、どんな曲に出会えるか楽しみです」と語った。
作・演出は生田大和。来年2月8日~3月11日、宝塚大劇場。(尾崎千裕)