サッカーJ1鹿島の小笠原満男(39)が今季限りで現役引退する。その現役生活を振り返ると、「前半」と「後半」で色合いは一変する。
さようなら小笠原満男選手 鹿島で現役引退は「誇り」
20歳代半ばまでの前半は、攻撃的MFとして才能を輝かせた。中田英寿の後継者とも評され、チームから自由を許され、視野の広さと技術の高さを思うがままに発揮した。
それゆえのわがままも過ぎた。海外移籍が取り沙汰された2005年夏には、強く残留を望んだ鹿島に対して「試合に集中できる精神状態じゃない」とJ1の公式戦出場を辞退した。常にヒリヒリとした緊張感が彼の周りには漂っていた。
主力として出場した06年ワールドカップドイツ大会で惨敗し、念願のイタリア移籍を果たしたものの出場機会に恵まれず、07年夏、鹿島に復帰した。
迎えた選手生活の後半。ゲーム主将を託され、リーグ優勝に導いた。J1で1度しか達成されていない3連覇はそこから始まった。自分本位ではなく、自らのプレーや経験を周りに捧げる色合いが濃くなった。
「イタリアでアウェー戦に負け…