アラブ首長国連邦(UAE)で開催中のサッカー・アジア杯で、連覇を狙う豪州に頼もしい新星がいる。23歳のFWマビル。南スーダンにルーツを持ち、内戦の影響で豪州に住むことになった快足ウィングが、黒星発進した王者の救世主となっている。
サウジ戦は山場、森保Jどう戦う(中西哲生コラム)
「僕はこうしてサッカーができてとても幸運。いまこのときも、苦しむ多くの人びとがいるから」。11日のパレスチナ戦に続き、15日のシリア戦も得点を挙げた。6日にヨルダンに敗れた後の2連勝で、1次リーグ突破に貢献。喜びとともにそんな言葉を発した。
自身の半生が背景にある。スーダン内戦で、両親は母国から逃れた。マビルが生まれたのは隣国ケニアの難民キャンプ。2人の兄弟とともに、1日1食という過酷な幼少期を送ったという。
11歳だった2006年、豪州…