サッカーの欧州チャンピオンズリーグ(CL)で5日、4連覇を狙ったレアル・マドリード(スペイン)は本拠でアヤックス(オランダ)との決勝トーナメント1回戦第2戦に1―4で敗れ、2戦合計3―5で敗退。黄金時代は屈辱的な惨敗で終わりを告げた。
ユベントス(イタリア)に去ったFWクリスティアノ・ロナルドの穴は埋まらない。昨季まで9季在籍し、「世界最高峰」の欧州CLで1試合平均1得点以上を挙げ、しかも大一番になるほどネットを揺らしたエースの不在。前線で背番号7に球を預ければ何とかしてくれる。スター集団の自信の源だった、暗黙の了解がなくなった。昨年、個人の年間最優秀選手賞を独り占めしたMFモドリッチが自陣で球を追うのが目立つようでは攻撃に迫力はない。
本拠では直近3連敗で、うち2試合はメッシを擁する宿敵バルセロナにスペイン国王杯、リーグ戦で敗れていた。すでに欧州王者の威信は砕けかけていた。
実はこの夜、ゴールは至上命令ではなかった。第1戦に敵地で2―1で勝ち、仮に0―1の負けでもアウェーゴール数で上回り、8強に進めた。
守備の要、セルヒオラモスは第1戦で故意との疑惑を持たれる警告を受け、出場停止だった。準々決勝以降を見据えて累積警告をリセットする狙いだと指弾された。それが、大量4失点。右DFカルバハルは大会公式サイトで悲痛な思いを残した。「言い訳の余地はない。我々は1週間ですべてを失った。すべて本拠で」。今季の無冠が、ほぼ確定した。(稲垣康介)