東京電力が福島第一原発で働く作業員を対象に実施した2018年度のアンケートで、「東電社員に対して感じること」という質問に対し、前回、113件で最多だった「横柄な態度」という回答は72件に減少したものの、代わりに「業務への姿勢」(95件)、「あいさつ」(81件)で批判的な回答が相次いだ。
アンケートは、東電が労働環境の状況を知るため、原発事故後から実施。9回目の今回は、第一原発で働く全作業員5347人に昨年9月に配布。5031人から回答を得た。
「東電社員に対して感じること」(自由記述)は2016年度から質問項目に追加。3回目の今回は361人の回答があった。
回答が最も多かった「業務への姿勢」では「縦割りの作業で無駄、無理が多い」。2番目の「あいさつ」では「返事がない」「スマホをいじりながらのあいさつは失礼」などだった。わずかに減少した「横柄な態度」だが、「高圧的な態度で接してくる」「震災直後の謙虚さがない」などの意見が寄せられた。
そのほか、「みだしなみ」「モラル」など、批判的な回答が304件だった一方、「現場によく来る」「安全な廃炉に向け一体感を感じる」など評価する回答は57件にとどまった。
東電は「廃炉事業はお互いが『パートナー』として認識し合い、進めなければ成し遂げられない事業」としており、「今回の意見を真摯(しんし)に受け止め、姿勢・態度を正すよう、いま一度、社員に周知徹底していきたい」としている。(石塚広志)