東京電力福島第一原発事故の応急対応や廃炉作業の拠点となったスポーツ施設「Jヴィレッジ」(福島県楢葉町、広野町)が20日、8年ぶりに全面再開した。この日はJR常磐線に新しく最寄り駅「Jヴィレッジ駅」も開業。東京五輪の聖火リレーの出発地にも決まり、復興に向かう地域の拠点として再出発する。 Jヴィレッジや新駅で記念式典があり、一番列車で来た会社員の桜井瑞穂さん(37)=同県いわき市=は「元通りになって再始動し、駅も出来たことで被災地が明るい方向に歩む希望になる」と話した。 施設は1997年、国内初のサッカーナショナルトレーニングセンターとして開設。日本代表の合宿などで使われてきた。2011年3月の原発事故後は資材置き場や駐車場になったほか、スタジアムに作業員の仮設宿舎が建てられ、営業は休止した。 ただ、対応拠点は徐々に第一原発内に移り、2年前から再開に向けた工事に着手。天然芝を張り替え、昨年7月末~9月にグラウンド7面とホテル、スタジアムを開業した。今回、残るグラウンド2面が復旧し、全面再開となった。 一方、一部再開後の8カ月で来場者は20万人。震災前の年間50万人に及ばず、原発事故やその風評が影響している。このため運営会社はサッカーやラグビーなどの競技団体に加え、企業・団体に研修や復興ツーリズムでの利用を呼びかけている。 また、地元自治体から最寄り駅の設置を求める意見が寄せられたため、JR東日本はJヴィレッジ駅を新設。施設から徒歩2分で、イベントがある時だけ列車が止まる臨時駅だ。20日は上下22本、21日から大型連休最終日の5月6日までは1日に上下10本が停車するという。(床並浩一) ■NPO理事長「どう活用してい… |
Jヴィレッジが全面再開 廃炉作業の拠点から本来の姿に
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