中日新聞社は15日、名古屋・栄地区の「中部日本ビルディング(中日ビル)」の建て替え後のイメージを発表した。新しいビルは地上31階、地下4階。高層部には、栄で最大級の約250室の高級ホテルが入り、オフィスや展望施設、多目的ホールもそろえる。
名古屋駅、変わりゆく街
同新聞社が持つ6857平方メートルの土地に、子会社の中部日本ビルディング社がつくる。2024年度に完成する予定で、事業費は公表していない。
高層階にホテル誘致
初公開された外観のイメージでは、高層部、中層部、低層部の各ブロックを階段状に積み上げたようなデザインが特徴だ。
23~31階の高層部に入るホテルは三菱地所子会社の「ロイヤルパークホテルズアンドリゾーツ」(東京)。地上約120メートルの23階ロビーには、宿泊客以外も利用できるレストランをつくる。
9~22階には賃貸オフィスが入居し、貸し面積は約3万2千平方メートルで、栄地区では最大の広さになるという。
多目的ホールも
低層階は久屋大通沿いのビルと高さをそろえる。7階部分は屋上広場にして、地下1階~地上3階の商業ゾーンには物販や飲食店が入る。6階は約600ある席を自由に動かせる多目的ホールをつくり、コンサートやイベントでの利用を見込む。旧ビルの特色だったモザイク天井画も何らかのかたちで活用を探る。
記者会見した中日新聞社の大島宇一郎社長は「名古屋に拠点を置く新聞社として、地域活性化は最重要の使命」と話した。一方、新ビルは高さがテレビ塔(約180メートル)に匹敵し、周囲でひときわ高い建物になる。大島社長は「昔と比べ高いビルが増えた。周辺と調和がとれる範囲内と認識している」と述べた。(山本知弘)