(22日、J1開幕戦 セ大阪1―0神戸)
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後半32分。右CKを味方が競ったこぼれ球に、DF山下が頭を合わせた。決勝のヘディングゴール。桜色に染まったゴール裏のスタンドが揺れた。守備に奔走したそれまでの苦しさが報われた。
攻めるのに手数をかけた。時間がかかり過ぎて、相手の陣形が整っても構わない。ボールを失わずに前進する。それが、セ大阪が今季披露しようとする戦い方だった。
スペイン人のロティーナ新監督は「良い準備が出来た。コンセプトも明確」。その戦術に対し、選手たちも「浸透しつつある」と手応えを口にしていた。だが、神戸は元スペイン代表のイニエスタら強力な助っ人を擁する。なかなか好機を作れないじれったい展開には、山口、杉本といった主力が抜けた影響もにじんでいた。本拠のサポーターには物足りない序盤だったかもしれない。
ただ、独特の緊張感が漂う金曜開催の開幕戦。それも、重圧がかかる超満員のホームで、長い時間を無失点で耐えられたからこそ手にできた勝ち点3だ。
「(キャンプから)積み上げてきたものをどれだけ出せるか。初戦に勝つためにチームとしてやってきた。ホームなので絶対に勝ちたい」
新主将の清武の言葉通り。日本中のサッカーファンが注視した一戦で、セ大阪が見事な花を咲かせた。(富山正浩)