三菱UFJ銀行の労働組合は25日までに、今年の春闘で従業員の賃金体系を底上げする「ベースアップ(ベア)」を求める執行部案をまとめた。要求額は0・5%幅で、ベア要求は4年ぶり。実施されれば2015年春闘で1・5%引き上げられて以来となる。一方、三井住友銀行とみずほフィナンシャルグループ(FG)の労組はベア要求を見送る方向。三井住友銀は2年連続、みずほFGは4年連続の見送りとなる。
三菱UFJ銀は国内店舗の統廃合や人員抑制など構造改革を進めており、労組は意欲向上などのために賃上げを求める。10月予定の消費税増税で、従業員の負担が増すことも考慮したという。経営側は3月中にも判断する。
銀行業界は超低金利で国内業務が厳しく、国内外の金融市場も低調で業績の先行きは厳しい。そうした状況から、ベアを巡る姿勢も3メガバンクの労組で分かれた形となった。(柴田秀並)