バスケットボール男子の日本代表がワールドカップ(W杯)出場を決めて迎えた初めてのBリーグ1部(B1)の試合。2、3日に開かれた第25節は代表効果で多くの観客が集まった。田中大貴、竹内譲次、馬場雄大の3人の日本代表をそろえるA東京は完売となったホームで富山と対戦。3日の試合では87―73で快勝した。昨季の覇者は現在東地区3位。9連勝で、上位を走る千葉、栃木を追う。
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控え組5人の得点、先発を上回る
A東京の激しい守備に、富山が我慢しきれなくなったのは、第3クオーター(Q)だった。
リーグ屈指の攻撃力を誇る富山のシュートが次々と外れ、このQはわずかに11得点。逆に、A東京は控え外国人選手のミルコ・ビエリツァが3点シュートを決めたり、3番手のポイントガードの斎藤拓実がチャンスでジャンプシュートを決めたりして着実に加点し、23得点を挙げた。
「ミルコを使うタイミングなど、いいパスの判断ができた」と振り返ったのは斎藤。第3Qを終えて15点リードし、試合の行方を決めた。
A東京は元NBA選手のアレックス・カークや、田中、馬場、竹内の日本代表選手に目がいきがちだが、それだけではない。この日のチームの得点は先発5選手の39得点に対し、出場した控え5選手の得点が48点と上回る。
「その日のベストの5人を試合の終盤の競った場面で起用する」というのが、ルカ・パビチェビッチ監督の方針だ。この日の控えの1人、ザック・バランスキーは「先発か控えかどうかはあまり考えていない。選手たちにとって、大事な場面でプレーできるかが大事だ」とまで言う。
実際に、斎藤は先発ポイントガードの安藤誓哉を上回るプレー時間をもらっていた。この日のヒーロー(優秀選手)に選ばれた2人は斎藤とビエリツァで、いずれも控え選手。A東京の底力が見えた。(河野正樹)