英国の欧州連合(EU)からの離脱をめぐり、英議会下院(定数650)は12日夜(日本時間13日未明)、離脱条件を定めた協定案の再採決をし、賛成242、反対391の反対多数で否決した。協定案の内容を補う新たな文書も採決の対象とされたが、支持は広がらなかった。3月末に合意がないまま離脱して社会が混乱する事態を避けるため、離脱は延期される可能性が強まりそうだ。
今回の採決は、協定案の批准につながる重要採決だった。230という歴史的大差で否決された1月の採決より「負け幅」は縮まったものの、メイ氏の協定案は再び議会に強く拒絶された。今後、離脱路線の大幅な見直しを迫られたり、メイ氏の進退論が再熱したりする可能性がある。
英国とEUは採決前夜に新たな合意文書を作成した。協定案の中で英国内の反発が強かった、EUの関税ルールに英国が縛られる「非常措置」について、仲裁機関が介入した上で英国が抜けられる道を明示するもので、法的拘束力がある。英議会での審議の行き詰まりを打開するため、EU側が歩み寄った形だった。
ただコックス英法務長官は、非常措置が発動すれば英国がEUの関税ルールに無期限に縛られる可能性はなお残る、との見解を採決前に公表。1月の採決でメイ政権大敗の要因になった与党・保守党内の強硬離脱派は、今回も協定案を支持しないと表明していた。
今回の否決を受け、英議会は1…