仏政府による燃料税引き上げ方針をきっかけに仏全土に広がった反政権運動のジレジョーヌ(黄色いベスト)のデモが16日、各地であった。パリ中心部のシャンゼリゼ通りでは暴徒が便乗し、高級老舗カフェやブランド服飾店が相次いで放火や略奪の被害にあった。仏メディアによると、パリで230人超が拘束された。
この日は運動が始まった昨年11月からほぼ4カ月にあたり、ソーシャルメディアなどで政権への「最後通告だ」などと大規模な参加が呼びかけられていた。仏全土で3万2千人超が加わり、最少だった先週の2万8千人超から増加に転じた。
マクロン大統領は同日、スキーの休暇を切り上げてパリに戻って対応にあたり、「こうしたことが二度と起こらないよう強い措置を取る」と報道陣に語った。
運動は18週連続。地方を中心に多くのジレジョーヌは平穏に参加しているが、暴動のイメージがたびたびメディアで伝えられ、国民の運動への支持は少しずつ落ちる傾向にある。(パリ=疋田多揚)