21日に告示された福岡県知事選で、自民党が推薦した新顔ではなく対立候補の現職を推す議員が党内にいる状況について、同県選出で新顔を支援する麻生太郎財務相は22日の閣議後会見で「『分裂』とは思いません。『造反』と思います」と述べた。現職を推す党内の議員を牽制(けんせい)した形だ。
同知事選で、自民党は新顔で元厚生労働官僚の武内和久氏を推薦。麻生氏は会見で、武内氏を「自由民主党党首安倍晋三の推薦が出ている候補者」と述べ、正当性を強調した。21日に福岡市内で開かれた出陣式には、自ら「必勝」のはちまきを巻いて出席した。
一方、県内の小選挙区選出の自民党衆院議員11人のうち6人は、3選を目指す現職の小川洋知事の支持にまわった。小川氏も2011年、麻生氏の後ろ盾を得て初当選したが、16年の衆院福岡6区補選での対応をめぐって関係が悪化した経緯がある。麻生氏が過去2回の知事選で支援した小川氏の対立候補の擁立に動いたことについては、党内外から批判も出ている。