米大統領選にロシアが介入したとされる前代未聞の疑惑をめぐる捜査が終結した。22日に捜査報告書を受けたバー司法長官に対し、野党民主党を中心に国民への全面公開を求める声が上がる。捜査を担ったマラー特別検察官を議会で証言させることも検討されており、与野党の攻防が激しくなりそうだ。
トランプ氏はこれまで、ロシアとの結託を否定し、マラー氏の捜査を「魔女狩りだ」と批判してきた。一方で、20日には報告書の公開について記者団に対し、「人々が見られるようにすればいい」「公平なものかどうか見てみよう」と話し、自信を見せていた。
バー氏は今年2月の司法長官就任まで、マラー氏の捜査を公然と批判し、トランプ大統領寄りとも見られていた。報告書の開示に関する権限を握っており、トランプ氏に不利な記載が一切、公表されない可能性も指摘されている。
このため、民主党が多数を占める米連邦議会の下院は今月14日、全面公開を求める決議を共和党議員も巻き込んで可決した。報告書提出を受け、下院の司法や外交など、民主党が独占する6委員会の各委員長は「国民や議会は特別検察官の捜査結果を知る権利がある」とした連名の書簡をバー氏に送った。書簡では、「大統領が犯罪やその他の深刻な不適切行為を行ったと信じる理由があるなら、司法省は情報を公にする義務がある」と求めている。
下院情報委員会のシフ委員長(民主)は22日の声明で、「報告書は訴追の判断に焦点があたっており、大統領や周辺者が国外勢力に裏で利用されたかどうかは明らかにされない可能性が高い」と指摘。シフ氏はCNNのインタビューに応じ、必要があればマラー氏を議会に召喚して証言させるとした。
民主党のペロシ下院議長と上院…