英国の欧州連合(EU)からの離脱の方法について、英議会下院は1日、メイ首相の離脱協定案の代替案をさぐる投票をした。EUの関税同盟に残る案や、2度目の国民投票など、四つの案について投票したが、いずれも反対票が賛成票を上回った。
今回の投票は、下院ですでに3回否決されたメイ氏の離脱協定案に代わる離脱の方法を、議会側が主導権を握って模索し、行き詰まりを打開しようという試み。3月27日にも同様の投票をしたが、投票した八つの案で過半数の支持を得るものはなく、今回は選択肢を絞って投票した。
今回は、議員側の提案の中から、①EUの関税同盟に残る②関税同盟と単一市場に残る③EUとの合意には必ず国民投票を実施する④EUが離脱日の延期に応じなければ、離脱撤回に関する英議会採決をするなどして、社会が混乱する可能性のある「合意なき離脱」を避ける――という四つの案が投票にかけられたが、いずれも過半数には届かなかった。(ロンドン=下司佳代子)