オリンピックの競技を絵で表すピクトグラム。2020年東京五輪のデザインを担った一人、広村正彰さん(64)は、1964年大会で競技場などのピクトグラムのデザインを担当した田中一光さん(故人)の“弟子”だった。50年の時を越え、「シンプルでわかりやすい」という理念は、受け継がれる。
陸上少年だった。中学時代の記録は100メートル11秒2。故郷の愛知では「県大会4位だった」。それから50年。コンペを勝ち抜き、東京五輪の競技を示す絵文字「ピクトグラム」づくりを担った。
最初に取りかかったのは、やはり陸上。描いてみたが「なかなかしっくりこない」。スタートの飛び出す角度、腕や足の太さ……。有名選手の写真や動画とにらめっこし、ミリ単位で修整した。
競技の専門家に「これは違う」…