福岡県知事選に挑んだ現新３氏は、福岡市を中心に回った。

共産推薦で新顔の篠田清氏（７０）は、市内の繁華街や商店街を支援者らとまわった。街頭演説では、国土交通副大臣の辞任につながった下関北九州道路をめぐる塚田一郎・自民参院議員の「忖度（そんたく）」発言に言及。「忖度で国政や県政が動かされることは絶対に許せない。忖度政治をストップさせよう」と力を込めた。

消費増税や憲法改正に対する反対も掲げ、自民議員の支援を受ける他の２候補との違いを前面に打ち出してきた。共産党の小池晃書記局長も選挙期間中に２度、福岡入りし、「安倍政権のやり方そっくりの福岡県政を変えよう」などと訴えた。

自民推薦で新顔の武内和久氏（４７）の最終日の訴えには、擁立を後押しした麻生太郎副総理（衆院福岡８区）が応援に駆けつけた。武内氏は買い物客らが集まる博多や天神などを回り、「これからの時代、東京に代わって福岡が日本を引っ張る」と街頭演説した。

麻生氏は「この８年、間違いなく福岡市は良くなった」と話し、自身に近く、武内氏の支援にも入った高島宗一郎市長の実績を強調。比較をする形で、たもとを分かった現職の小川洋氏（６９）＝県農政連推薦＝の２期８年の県政を「失われた８年」と批判した。武内氏の「最後の訴え」には、高島氏も参加した。

小川氏は、福岡市や周辺で街頭演説を行った。過去２回の知事選で支援を受けてきた自民から推薦を得られず、自民系の分裂選挙になった今回の戦いを「様変わり」と表現したうえで、「同じ思いの県民と力を合わせて戦う選挙だ」と声を張り上げた。

小川氏の街頭演説では、自民の鬼木誠（衆院福岡２区）、古賀篤（衆院福岡３区）の両氏もマイクを握った。鬼木氏は「一部の権力者の都合や好き嫌いで、知事のくびをすげかえようとする。自民党はこれでいいのかと、県民の声が大きく巻き起こった」と、暗に対立候補擁立を主導した麻生氏を批判した。