フランスのルドリアン外相は6日、仏北西部ディナールで開かれた主要7カ国(G7)外相会議後、記者会見した。ルドリアン氏は河野太郎外相との5日の会談の際、日産自動車前会長のカルロス・ゴーン容疑者の再逮捕について、「フランスは日本の司法の独立と主権を完全に尊重する」と述べたことを明らかにした。
ゴーン容疑者の再逮捕後、日仏外相が会談するのは初めて。ルドリアン氏は河野氏に「フランスは推定無罪の原則を大切にし、大使館が自国民をきちんと保護できることが大事だと考えている」とも伝えたという。
一方、河野氏は6日、ディナールで記者団に対し、ルドリアン氏との会談で「心配は理解しているので、何かあれば遠慮なく言ってください」と述べたことを明らかにした。河野氏はゴーン容疑者の再逮捕が日仏関係に与える影響について「全くない」と強調した。
一方、5~6日に開かれたG7外相会議では対中政策がテーマの一つになった。河野氏は「昨年の外相会議に比べると、中国への関心が非常に強くなった」と説明。「中国が自由で開かれた国際秩序に責任ある形で参画をしていくのが望ましい」との認識で一致したという。
河野氏は14日に日中ハイレベル経済対話に出席、15日には李克強(リーコーチアン)首相との会談も予定している。今回のG7での議論を中国側に伝える考えを明らかにした。(ディナール=鬼原民幸、疋田多揚)